店長ブログ

恵みが日々の糧となる。飲んでよし、食べてもよし。皮はバッグや服として生まれ変わり、骨は楽器などの素材になる。かつては農耕や運搬の主役を担った。牛と人間の関係は長く深い。
 偶像化された姿形は感謝と祈りの対象。人々は安全と繁栄、時には疫病退散の願いを向けてきた。牛への信仰は、新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態に見舞われた令和の世にも静かに受け継がれている。
 2021年の十二支は丑(うし)。えとにちなめば今年の象徴的キャラクターは牛になる。「特」は牛偏の漢字。特命を帯びた取材陣が東中南予の神社や寺に足を運び、地域に残る信仰のいわれや牛への特別な思いを追った。
 
 愛媛県西条市丹原町田野上方の三島神社には、牛頭(ごず)天王を祭る石「牛さんがん石」がひっそりと安置されている。牛頭天王は疫病の神ともされるが、牛による農耕が盛んだった周桑地域では牛馬の守護神としての信仰が強かったようだ。農業の機械化で牛馬は姿を消していったが、田野上方地区では現在も牛馬の無病息災を祈る伝統行事が続いている。