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中国明代(15世紀)の龍泉窯の青磁の筆置き「筆架(ひっか)」が愛媛県西条市安用の「北竹ノ下I遺跡」で出土し、県埋蔵文化財センターが発表した。筆架は国内での出土例が極めて珍しく、全国で初めてという。書や絵画をたしなみ、貴重な文具を入手できる力のある僧侶や有力武士などが遺跡の近くにいた可能性があるとしている。
 同センターによると、一部が欠損しているが大部分は残っており、幅10・3センチ、高さ6・7センチ。15~17世紀前半の石積みの井戸から今年2月に出土した。
 形は3つの山と雲や波、橋が表現されている。元~明代の景徳鎮製の類似意匠の筆架は鰲(ごう)(おおがめ)という伝説上の生き物が造形されており、欠損している部分にも同様の動物がついていたとみられる。内部は空洞で、鰲の口から水を出すことができるようになっていた。特徴から15世紀に中国浙江省の龍泉窯で作られ、日本に輸入されたと考えられる。
 同センターの柴田圭子調査課長は「中世では文具は貴重品で、筆、すずり、墨、紙を『文房四宝』と呼んだ。筆架はそばに置かれた嗜好(しこう)性の高い文具で、中国すずりなどと一緒に使用したり、書院で鑑賞したりしたのではないか」と推定している。
 西条市立東予郷土館で公開する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期。同センターのホームページで写真や動画を公開している。