わいせつ等事件簿

愛媛県の酒造業の6割超が従業員3人以下の小規模経営であることが、日本政策投資銀行と日本経済研究所による調査でわかった。従業員3人以下の比率は山口県などと並び全国でも最も高いグループに含まれる。米価が高く変動費比率が高いため、消費者の嗜好に合わせた高品質を追求する上で、少人数の家業的な経営が有利に働く面もあると指摘している。
愛媛県内の従業員3人以下の事業者が占める割合は2016年時点で64%強。事業者数にして約25だった。比率は10年前に比べ20ポイント近く上昇しており、特に最近は上昇ペースが高まっている。全国平均は16年でも約37%にとどまっており、上昇ペースも緩やかだ。
県内事業者のうちアンケートに答えた20事業者に絞った集計では、現在の経営者が自身の親または配偶者の親から事業を承継した割合が、回答全体の約9割を占めた。
従業員数の少人数化と相まって家業の性格がより強まっているが、「高級酒を追求するには、効率重視型の経営に比べ、かえって向いている面もある」と指摘。高級酒志向を背景に、11年頃から日本酒の出荷ベースの単価は、愛媛および全国でも上昇傾向が続いているとしている。
県内では1900年前後に創業した事業者が多く、数代にわたり経営のバトンを引き継いできたが、「今後の跡継ぎは未定のところも少なくない」という。後継者難から事業継続を断念するケースも徐々に増えつつあり、新たな担い手の育成が重要となっている。