わいせつ等事件簿

11月1~4日に豪コフスハーバーで開かれるタグフットボールのワールドカップ(W杯)に愛媛県松山市出身の田中奨太(23)=松山工高出=が日本代表として出場する。田中は「日本代表初となるグループリーグを突破し、8強入りしたい」と大舞台での活躍を誓う。

 タグフットは1992年にオーストラリアで生まれたラグビーを起源とするスポーツ。8人制で、タックルの代わりに腰につけた2本のタグと呼ばれるリボンを奪う。W杯は3年おきに開かれ、第3回となる今大会は32カ国が19カテゴリーに出場する。
 田中は、6月に兵庫県淡路島で開催された大会での活躍が評価され、初の日本代表入りを果たした。100メートル11秒台の俊足と、ジャンプ中に脚を入れ替え、着地と同時に方向転換する「アイランダーステップ」が武器のポイントゲッターとして期待されている。
 新田高で花園に出場した7歳上の兄の背中を追いかけ、小学1年の時に地元の北条地域のラグビースクールに入団した。北条北中、松山工高ではラグビー部に所属し、センターのポジションで汗を流した。
 福岡工業大に進学後は「勉強と両立でき、これまでの経験も生かせる」とタグフットに転向。持ち前の行動力で約20人を集めてサークルを立ち上げ、九州大会を開くなど積極的に活動したことが大きな財産となっているという。
 現在は大阪市の電器メーカーで営業の仕事に従事する傍ら、タッチラグビーの社会人チームでトレーニングをこなし、週末に代表チームの練習に参加している。代表メンバーには元ラグビー日本代表でトップリーグのパナソニックなどで活躍した北川智規もおり「体のキレ、走りの力強さが全然違う。このチームなら(W杯で)上に行ける」と自信を語る。
 タグフットの面白さを「リボンを奪うごとにプレーが止まり、その間にサインプレーをしたりするので戦略性が高い」と田中。「W杯で結果を出して国内での認知度を高め、愛媛でのタグフットチームの立ち上げに貢献したい」と熱いまなざしで意気込んでいる。