わいせつ等事件簿

【ソフトクリーム、最後に頰張って /「続けて良かった」】
 ソフトクリームが人気の桐屋菓舗(西条市大町)が10日、48年の歴史に幕を下ろす。理由は、入居する建物の老朽化。5月中旬に閉店を告知すると、常連客がひっきりなしに訪れてソフトクリームを頰張り、名残を惜しんでいる。
 桐屋は荒井久夫さん(84)、モリエさん(83)夫妻が1970年6月にオープンした。久夫さんが独自にアレンジした、すっきりした味わいのソフトクリームや、生チョコ入りブランデーケーキ「ポモナ」などが人気。モリエさんとのおしゃべりを楽しみに来店し、長居をする常連客も多い。
 モリエさんは閉店について「建物が古くなった。お客さんに迷惑を掛けてもいけないので」と説明。客からは移転して続けてほしいとの要望もあったが、高齢の2人に後継者はおらず、設備も古くなっていることから店を畳むことを決めた。
 閉店を告知してからは「最後に友人に贈りたい」などとポモナの注文が殺到。200個超の大口注文もあり、閉店までの予約がほぼ埋まっている。久夫さんは他の商品の製造を打ち切り、ポモナに専念。すぐにできるソフトクリームの2商品だけを販売している。