わいせつ等事件簿

JRや名鉄、地下鉄が乗り入れ、「名古屋の南の玄関口」といわれる金山総合駅周辺の歓楽街について、県公安委員会は二月一日、「犯罪抑止・環境浄化推進地区」に指定する。県内では名古屋市の栄地区などに次いで四カ所目。指定後は防犯活動が集中的に進められ、風俗店などへの対策も取られる。

 対象は金山総合駅を中心にした約一キロ四方のエリア。指定後は、歩道などに看板やのぼり旗などを置くことができなくなる。風俗事業者は従業員を雇用する際に就労資格の有無を確認すること、不動産事業者は違法な風俗事業者に不動産を貸さないことが責務となる。
 住民と行政、警察が連携したパトロールも実施されるほか、防犯カメラを増設するなどして防犯対策が強化される。

 金山総合駅周辺は近年発展が著しく、飲食店や風俗店、宿泊施設などが立ち並び、夜間は仕事帰りの会社員や若者らが集まる。ただ、にぎわいの半面、地域住民からは風俗店の看板などが景観を損ねるとの不満も上がっていた。近年は女子高生の接客を売りにした「JK(女子高生)ビジネス」の店舗が県警に摘発されるなど、新たな形態の店も進出し、問題化していた。

 犯罪抑止・環境浄化推進地区は、犯罪が多発し、青少年の健全育成に影響を及ぼす恐れがあると県公安委が判断した場合に指定する。二〇〇四年十一月に中部地方一の繁華街、名古屋市の栄地区が初めて指定され、一三年六月には名古屋駅の西地区、豊橋市の松葉地区が追加された。

 金山総合駅周辺も、栄地区などと同様に犯罪への警戒が高まり、県公安委は地元での公聴会を開くなどして、指定への手続きを進めていた。同駅周辺で環境美化に取り組む関係者は「指定されることを生かし、訪れた人たちに悪いイメージを持たれない街にしていきたい」と話す。

 県公安委は一日から、名古屋駅周辺の指定区域についても、駅の西側だけでなく、東側地区にも拡大する。金山、名駅地区では同日、地元住民と警察、行政関係者がキャンペーンを実施し、駅の利用者らに指定を周知することにしている。