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わいせつ等事件簿 | タブレット端末で国宝解説 今治・玉川近代美術館

タブレット端末で国宝解説 今治・玉川近代美術館

2018/04/22 23:35

肉眼では見えない部分の高画質写真や、分かりやすい解説文をタブレット端末で見ながら、国宝の「伊予(いよの)国奈良原山経塚(くにならはらやまきょうづか)出土品」をより深く理解する展示が今治市玉川町大野の市玉川近代美術館で始まった。5月6日まで。
 出土品は経文を納めた精巧な銅宝塔▽銅経筒▽檜扇(ひおうぎ)▽椀形(わんがた)土器--など26点。平安時代後期(12世紀)に埋納されたと推測され、1934年に同市玉川町の楢原山(ならばらさん)(1041メートル)山頂の神社の境内を雨乞い祈とうのため清掃中、偶然見つかった。
 館は春秋の年2回、出土品を公開しており、今回からタブレット端末での解説を加えた。文化庁の支援事業で同館や市大三島美術館が開発した独自ソフトで解説を提供し、端末13台を来館者に無料で貸し出す。

烏帽子姿の人物が確認できる檜扇の高画質写真=愛媛・今治市玉川近代美術館提供
 高さ71・5センチの銅宝塔の胴体(塔身)には線刻で梵字(ぼんじ)(サンスクリット文字)の曼荼羅(まんだら)「種子(しゅじ)曼荼羅」が刻まれており、肉眼では見えない細部もタブレット上で自由に拡大して確認できる。また、埋納されていた檜扇の表面には烏帽子(えぼし)姿の人物が描かれているが、端末上の高画質画像、X線写真で表情まで詳しく分かる。
 館の藤原敏子学芸員は「出土品は仏教文化を後世に伝えるタイムカプセル。実物と合わせ、さまざまな角度から鑑賞できます」と利用を呼びかけている。
 一般500円、学生250円。高校生以下無料。4月23日と5月1日は休館。問い合わせは同館(0898・55・2738)。【松倉展人】

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