わいせつ等事件簿

JR四国(高松市)は25日、松山市道後多幸町のホテル「道後やや」を買収すると発表した。来年2月から子会社のJR四国ホテルズ(同)が運営する。JR四国グループが運営するホテルは四国で6カ所目、愛媛県内ではJRホテルクレメント宇和島(宇和島市)に次いで2カ所目。

 JR四国は経営基盤強化のため宿泊事業の拡大に取り組んでいる。道後ややを運営するエイトワン(松山市)はタオル事業などに集中するため、両社の意向が一致した。エイトワン社長が予讃線を走る観光列車「伊予灘ものがたり」で料理を提供する会社の元オーナーだったことから、売却の申し出があったという。
 道後ややは道後温泉本館に近く、エイトワンが2010年に総工費約10億円を投じて建設した。鉄筋コンクリート8階建て、大浴場などを備えない宿泊特化型で客室はシングルを中心に68室ある。
 JR四国によると、宿泊客はビジネス客と日本人観光客が半々で、インバウンド(訪日外国人客)は数%程度という。年間の売上高は約2億5千万円。大手宿泊予約サイトで高評価を得ていることもあり、ホテル名は変えず、現状の運営方針を継続する方針。

 JR四国の半井真司社長は25日の会見で「四国の県庁所在地を中心にホテルの展開を考えていた。全国的にも知名度が高い道後を地域と一緒になってさらにPRし、売り上げを伸ばしたい」と話した。
 JR四国は本業の鉄道事業で赤字が続き、宿泊事業を強化している。今年に入って、JR高松駅前にクレメントイン高松を新設したほか、京都市や徳島県三好市でインバウンド向けの民泊施設をオープンしている。
調味料大手の日本食研ホールディングス(愛媛県今治市)は25日、自社運営の物流拠点を今治に新設し、2019年1月に稼働すると発表した。投資額は約10億円で常温から冷凍まで対応する。四国4県の商品保管や仕分けなどの拠点とし、愛媛では取引先への配送まで一貫して担う。コスト削減を進めるとともに取扱商品の幅を広げ、低価格帯の充実につなげる。
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3温度帯対応では初の自社物流拠点「日本食研 四国物流センター」(愛媛県今治市)
「日本食研 四国物流センター」は鉄骨平屋建てで敷地面積7597平方メートル、延べ床面積4016平方メートル。12月上旬に竣工しており、19年1月15日に稼働する。常温、冷蔵、冷凍の3温度帯に対応し、パレット(荷台)が計2600台格納できる。自社専用の配送トラックを9台配備する。19年4月には新規を含む約40人を雇用予定だ。
日本食研では従来の宅配業者を利用する方式だと、温度や個数に応じて増える配送コストなどから、扱える商品に制約があった。自社配送で経費を抑えることで商品の幅を広げ、低価格帯の開発などにも取り組めるようになるという。
日本食研は物流企業と協力し、北海道や中部、関西など全国5カ所に3温度帯対応の物流拠点を持ち、専用トラックでの配送に取り組んでいる。四国物流センターで作業効率の検証を進め、ノウハウは全国で共有する方針だ。