わいせつ等事件簿

西日本豪雨で被災した愛媛県宇和島市吉田町で、ミカンを運ぶ「索道」が活躍している。

 同町白井谷のかんきつ農家・赤松耕治さん(68)の園地35アールでは、「南柑20号」の収穫が本格化する中、モノレールの復旧が遅れ、クローラー(小型運搬車)や人力による運搬も困難な状況だ。農家やJA、県などが協議し、最終手段として索道の利用に乗り出した。被災園地で初の取り組みだ。

 索道は、モノレールが開発される以前の昭和30、40年代に主力だった運搬法。装置はエンジンで稼働し、リモコンで搬器を上下させる。一度に6キャリー(90キロ)の積載が可能。高さ100メートル、距離200メートルで、園地の最上段から片道約4分間で地上に届く。

 12月初旬に同県砥部町の(株)ニシイチが設置した。20日間のレンタルで費用は83万円。補助金(負担割合は、国が2分1、県と市が5分の1ずつ)を利用し、農家は1割を負担する。赤松さんは「ミカンを運び出せるようになり助かっている。関係機関に感謝」と収穫に励んでいた。

 県農林水産部農業振興局農産園芸課の奈尾雅浩主幹は「設置場所は限定されるが、可能な限り協力したい」と意欲的だ。