わいせつ等事件簿

僕らの街に千重子先生がやって来た―。愛媛県松山市出身のお笑い芸人友近扮(ふん)する大物演歌歌手、水谷千重子の「キーポンシャイニング歌謡祭2018」が16日、同市堀之内の市民会館であり、豪華ゲストとの歌と笑いの盛大なショーで観客を魅了した。
 芸能生活50年を迎えてなお、演歌とJ―POPの懸け橋として一線を走り続ける水谷の過去最大規模のツアー千秋楽。さらに初の愛媛公演、友近の故郷ということもあり、大入りの約1800人が会場に詰めかけた。
 福井県の東尋坊で生まれ育った水谷が豆腐屋を継がず、歌手を目指す決意を固めた幼少期の寸劇を前振りに始まった公演は、「My Revolution」(渡辺美里)からのメドレーで華やかに開幕した。水谷は愛犬のヨークシャーテリア7匹をあしらった黒の着物姿で登場し、早速、美声を響かせた。
 水谷を敬愛するというゲストアーティストも次々とステージへ。トップバッターを飾った岸谷香は楽曲提供した「千重子のウインク」とプリンセスプリンセス時代の名曲「M」でジョイン。県内で20年ぶりのコンサート出演となった中山美穂は大歓声で迎えられ、「WAKU WAKU させて」「世界中の誰よりきっと」を2人で歌い上げた。同歌謡祭に連続で出場する稲垣潤一は水谷とのデュエット曲「どうせ始まらない」を披露。ソロでそれぞれの代表曲も歌唱し、ファンを沸かせた。
 そんな3人に負けじとオリジナル曲や1980~90年代のヒット曲で自慢の喉を震わせ、こぶしの花を咲かせた水谷。ほぼ1曲ごとに挟んだMCのトークもさえ渡り、その一挙一動で爆笑をさらっていった。
 約3時間をかけ、アンコールの「ら・ら・ら」(大黒摩季)まで20曲以上、ボリューム満点の一大スペクタクルショーを完走した。水谷は「幕が開く前から熱気が伝わり、逆に千重子が元気をもらいました。本当に松山でやって良かった」と感無量の表情を浮かべ、「またこの地に帰ってきたいと思います。アイウィルビーバックでございます」と誓った。
 最後は、にぎやかしのドタバタ劇を繰り広げた盟友の倉たけし(秋山竜次)、八公太郎(バッファロー吾郎A)とともに恒例の「豆腐開き」。「よいしょ、よいしょ、よいしょー」の掛け声で焼き豆腐を二つに割り、盛況のままに締めくくっていた。
 「キーポン―」愛媛公演は、西日本豪雨災害を受け、タイトルに「がんばろう愛媛」を冠して実施。会場で募金活動が行われたほか、売り上げの一部が義援金として寄付される。